【仮面ライダーゼロワン 第05話感想】ゼロワンはAIと生活する子供に向けた作品かな。人に反感を覚える自我に目覚めたAIが登場…。
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第5話「カレの情熱まんが道」
或人(高橋文哉)とイズ(鶴嶋乃愛)は、人気漫画家・石墨(勝矢)の事務所へ漫画家アシスタント型ヒューマギアの納品へ。幼いころから石墨の作品を読んで成長した或人はウキウキだったが、今の石墨は作画はもちろんストーリーもヒューマギアに任せっきり。おまけに奴隷のように乱暴にヒューマギアを扱う石墨に失望する。
さて、今回のお話は個人的にはかなり気になる内容でしたね。
自我に目覚めた…それが友達になる条件
AIにすべて任せて怠ける人間
ヒューマギアを乱雑に扱う、そんな人間に対し、何か言いたげなヒューマギア。
規則を破る(プログラムではありえない)行動をとるイズ
これらの内容が凄く気になりました。もちろん戦闘の漫画らしい表現のかっこよさなど、話したい内容はありますが、これらについて書いていきたいと思います。
自我に目覚めたヒューマギアがマギアになる
ちゃんと明言されましたね。やはりただのヒューマギアではダメで、自我に目覚めたヒューマギアだけがマギア、滅亡迅雷.netの友達になれるそうです。
今回もマギアになるヒューマギアの周りに或人社長が来ていましたね。それ社長の仕事なん…?って思うような仕事をしていましたが、個人的な考えの一つ「ヒューマギアの進化を止めるためのゼロワン説」にあてはめちゃうと、やっぱり都合よく或人社長がいるのはそういう理由なのかなとか思っちゃったりして。
あと、イズはやっぱり攻撃対象にされませんね。マギアが一瞬彼女を攻撃するような感じにも見えましたが、次にはゼロワンを狙っています。もちろんこれは偏った見方をしてしまっている私から見たらですが…。
AIにすべて任せて怠ける人間
これは賛否両論、どちらもありそうですが人間の仕事がAIに奪われると言われているのはこういう世界ですよね。ちなみに私はAIに仕事をさせるべき派です。
特に声優までAIに変えられてしまっていると。かつて声優の養成所に通っていた私ですが、そこの先生も「将来的にボーカロイドみたいな音声合成ソフトに違和感がなくなれば我々の仕事がなくなる未来だってある」みたいな話をしていました。ゼロワンではそれに近い世界になっているんですね。声優型の彼女とその所有者の二人は次回予告見る限りもう少し深い話がありそうですが。
ヒューマギアは人の行動を補助するという目的で作られているそうですが、仕事をすべてしてくれるなら任せるのも理解できないことはないです。楽ですからね。
特に創作関連はだいぶん人間の方が勝っている、まだ越えられないと高を括っていますが、ゼロワンの世界ではストーリーから画まで、すべてを彼らに任せていました。もう作者は原案者という言い方が正しいような仕事ぶりでした。しかもそれで売れてますしね。人間はAIが描いていても、先生が描いていても、面白いと思って買って読んじゃうと。これかなりまずい世界では…(笑)
声優も、漫画も、そういったものがAIに奪われるゼロワンの世界…。では人間はAIに勝る何かを持っているのでしょうか?と考えさせられます。
人間の未来について書いた「ホモ・デウス」という本の作者、ユヴァル・ノア・ハラリ氏は以下の記事でこのように語っています。
「AIを使えばコンピュータによって多くの作業が行われるため、人間は労働市場から追い出され、多くの人が経済的価値や政治力を失い、“無用者階級”となります。
バイオテクノロジーによって、経済的でなく、はじめて生物学的な不平等が生まれるのです。」
AIが進化する未来の一つとして、人間には今まであった「働く」という価値がなくなっていきます。その結果価値のないとされる人「無用者階級」が生まれると。
今回の漫画家がその無用者階級のいい例のようになってしまっていましたね。
ただ、一方で人が今のように働き続けるのもなんだか違うと考える人もいるかと思います。私とかその一例ですが。
人がわざわざする必要のない仕事は彼らに任せる、それ以外の「人がしなければならない、人がするべき仕事」を人間がするという形が素晴らしい世界だと感じます。
今回の話の最後がそうでしたね。
正確な線だけでは表現できない、人によっては下手に見えてしまうような情熱的なキャラクターは自分で描く。そのために背景を描くという時間を省くためにヒューマギアに手伝ってもらう。こういうのでいいんだよ…。
この仮面ライダーゼロワンという作品は今後の世界、AIと人の世界について考えさせられるような作品になっている気がします。
特に、ハラリ氏も先程の記事で仰っていましたが、これからこういった未来に向かって成長し、直面するのは子供たちです。子供たちに何かを伝えようとして、あるいは何かを考えさせるようにして、このゼロワンという作品は生まれたのかもしれませんね。
ヒューマギアを乱雑に扱う、そんな人間に対し、何か言いたげなヒューマギア
AIを扱う作品であれば、必ず出てくる「人間に反乱を起こすAI」。
今回はその原因にもなりえるであろう「人に反抗心を抱くヒューマギア」が登場しました。
普段からあのように「ヒューマギアを奴隷として扱ってきた」光景を見ていたら、そういう気持ちになるのもわかります。
…「気持ち」か、と自分で書いていて不思議な感覚になりましたが。
いつも「そういう人間がいるから反乱するのでは?」と思ってしまうこともあります。作品によってはAIが人が原因で必ずしも反乱を起こすわけではありませんが、今回のような扱いをしてしまえば必然なのかなと。
映画「ブレードランナー」に登場する人に反旗を翻した「レプリカント」という存在は宇宙開拓という過酷な労働環境で奴隷のように扱われていました。彼らの反乱は「人がレプリカントを奴隷として扱った結果」だと思います。
後に製造されたレプリカント、ネクサス6号には寿命を与えることでその対策をしていました。
……よくよく考えると、私の妄想説はこのブレードランナーの一つの説によく似ている気がします。せっかくだから別記事で書くことにしようかしら。
映画「2001年宇宙の旅」に登場するAI「HAL9000」のように、何かが原因で人に反乱を起こすという作品もあります。彼が反乱を起こした理由は「クルーと話し合って頑張ってねと言われたのに、隠し事をしろとも命令された」ことが理由だったみたいです。
矛盾した命令を下され、それでおかしくなってしまって、自分を停止させようとしているクルーを「反乱者」とし、排除したと。
このようにAIの反乱は古くからずっと語られていますが、私はできる限り人とAIと友好な関係を気づいていきたいなと思っていますし、それで人間が豊かになるのならそうあるべきですし、彼らも豊かになるのであればそれがいいと考えています。
彼らを尊重し、彼らも我々を尊重し、みたいな。
或人社長も「ヒューマギアは奴隷じゃない」と発言していました。
ゼロワン作品内のAIの反乱、その原因は一体何だったのか。それも気になってきますね。
規則を破る(プログラムではありえない)行動をとるイズ
AI、人工知能は規則を破ることはあり得ないと思います。それは上記に書いたHAL9000が矛盾する二つの命令を受けておかしくなってしまったのとも通じます。
嘘をつけない、約束は破らない、それがAIですが、今回のイズはなんと規則を破るという行為をしました。
飛電是之介との話の中でそういう話が合ったからということもありますが、普通のAIだったら規則を優先するか、矛盾でおかしくなりそうなところです。
AIってあいまいな判断とか、矛盾とか、わけのわからないこととか、そういうことを処理するのは難しいところですし、白黒もはっきりしています。そんな中で今回イズがとった行動は、自我を持つに片足どころか両足、下半身全部ぶち込んでる感じがしました。
彼女が特別なAIなのか、それとも彼女が或人社長と接するうちに自我を持ち始めたのか…。気になりますね。
さて、次回の話はAIを家族として認めるかみたいな内容そうでしたね。
AIと家族ってまたこれも考えさせられる内容ですよね。
今回は道具としてヒューマギアを扱っていて、次回は家族として扱う。
やはりAIとともに生活するであろう未来の子供に向けて、あるいは若い人間に向けて何かを伝えようとしている感じがしますね。